はじめまして。かえるさんと申します。アメリカの大きなテック企業でソフトウェアエンジニアをやっています。

社内の採用業務で多くの面接に関わる中で、「惜しい」候補者にたくさん出会ってきました。入社すれば活躍できそうな気もするのに、面接への準備が足りないばかりに不採用とせざるを得ない。そして本人は自分が惜しかったことを知ることはなく、面接官としての私は結果を判断するだけ。それって何も生み出していないよな、という無力感がずっとありました。面接に来る前の段階で何かできないかと思って、エンジニアのキャリア支援を始めました。

かれこれ十余年前、私は焦っていました。未経験でIT業界に入り、業務システムの開発を四年ほどやりましたが、何もスキルが身についていない気がしていました。ターミナルは触れないし、HTMLも書けない。ソフトウェア開発は楽しいぞということだけは学んでいて、作りたいものをさっと作れるエンジニアになりたいけど、どうすればそこに辿り着けるかわからない。周りはみんなキラキラして見えて、自分はどこから手をつければいいのかもわからない。今振り返れば、手探りでやっていたことをコツコツ進めていればよかっただけなのですが、「これでいいのか?」という不安ばかりが先に立って、気持ちが落ち着かず、集中できませんでした。

そんな私を、一人のエンジニアとの出会いが救いました。今では誰もが知る日本のメガベンチャーに、会社がまだ小さかった頃からいた人で、当時は海外のスタートアップに勤務していました。私からすると眩しい経歴で、まさに私が描く「さっと作れるエンジニア」に見える人でした。でもお話をすると、飾るところが何もない。等身大の自分を受け入れていて、私に対しても同じ目線で、ただ一緒に考えてくれる。私の問いに真っ直ぐに応えてくれて、その議論がちゃんと噛み合う。何度か話をしているうちに、私も、知識や経験は全然ないけど、考える方向はこれでいいのかもしれない、と思うようになってきました。すごい場所にいる人って、中身はこういう感じなんだ。そう思えたら、遠くに感じていたものが急に現実的になって、一気に肩の力が抜けました。

中でも、デキる人のコードの書き方を学びたいけど何が正しいか分からないと苦しんでいたとき、「まあ、同じことを二回書かなければいいんですよ」と言われて、とても気分が楽になったのを覚えています。今思えば、「一番大事なのはそこじゃない」みたいな、いろんな意味が込められている気もしますが、当時の私にとっての一番の効能は、そのまま進めばいいんだ、と思えたことでした。

何はともあれ、あんなふうなエンジニアになりたい、あの人だったらどうするかな、と思い浮かべられる具体的な存在ができたこと。それが大きな助けになりました。

どんな出会いや言葉が糧になるかは人それぞれです。ただ私は、良い仕事の現場にいれば、良い出会いは自然と生まれると思っています。そして、同じゴールに向かって切磋琢磨する日々の中でこそ、得られるものが多いと思っています。

良い現場に辿り着きたくて、そこでやりたいことがある。そんな志がある人の力になれればと思って、エンジニアを中心に転職のお手伝いをしています。

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